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一目で分かる名入れ

販売の革新にはSFA(セールス・フォース・オートメーション)と呼ばれるソリュlシヨン、マーケティングにはCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、調達にはマーケット・プレイスというソリューションがある。

そして、各ソリューションの一つひとつには対応するテクノロジーや、パッケージソフトが存在する。 ところが、企業の活動がすべて連携している以上、個々の機能に各々のツールを導入し、個別に強化したとしても、全体として競争優位を確立できるとはかぎらない。
個別機能に最新のツールを採用するだけで、すべて競争に勝てるのであれば、施策立案はきわめて簡単なはずである。 そこで重要になるのが、戦略に基づくCSFである。
CSFを達成するために、各々の機能連携や各機能で達成すべき目標を立てて初めて、各機能での施策を適正に評価することができる。 ITソリューションはそれを実現するためのツールのひとつであって、唯一の選択肢ではない。
それが、本来考えられる順番なのである。 まして、どこかの企業でうまく効果を発揮したといっても、企業としての戦略や達成すべき目標が異なっていたとしたら、同じソリューションが同じように効果を発揮する保証はまったくない。
自社の目標達成のために何を行うべきかという検討過程において、すべての施策を情報システムに落とさないといけないわけではない。 CSFから見た重要性や費用対効果の観点から、情報システムではなく、人間が多少工夫してオペレーションすれば十分な場合もある。
ふんだんに情報システムを開発し利用すると、全体のコストが大きく膨らみ、コスト優位性を失うこともありうる。 したがって、個々の施策が全体のコスト構造や競争力にどう影響を与えるかを見ることが必要である。
このことが、ビジネス・システム分析の一番のポイントである。 これは、どの機能でどういった業務がどのレベルで達成されないといけないか、それがCSFの実現にどうつながるかを再確認するステップでもあると言える。
企業活動を機能割にして、どのような連携が競争力をあげるのかを明らかにするビジネス・システム分析の観点は、「自分が担当する機能が全体のなかでどのような役割を果たさなくてはならないか」ということを、複数の部門から集ったメンバーが一枚の紙の上で確認する効果的なコミュニケーション・ツールである。 実際のプロジェクトでは、単に分析に利用するだけではなく、達成目標のために、各々の役割をどうすればよいかを各機能別の組織で考え、相互確認するために役立てられている。

機能別の組織になっている企業の場合には、個々の企業のなかに、設計は設計、物流は物流、販売は販売と独立した山が連立しているような雰囲気がある。 そのため、その聞の連携は必ずしもうまく図られていない、というのが現状のようだ。
たとえば、設計はデザイン効率のよさを評価尺度にして日々努力を重ねているが、そのことは必ずしも販売が評価尺度にしている提案力を上げることとは一致しない場合もある。 そこで、連携が必要になるのだが、機能別の評価だけをお互いに意識して部分最適だけを追い求めていては、全体としてのCSFの達成はできない。
このことを理解するための共通の議論の基盤として、ビジネス・システムを描いておくことが必要になる。 逆に経営層にとっては、ビジネス・システムをベースに、どこにどれだけの資源をかけるかを鳥蹴的に見ながら判断していくことが可能になる。
そういった意味で、ビジネス・システムは有用なコミュニケーションのツールという側面ももつ、使い勝手のよい分析のフレイムワークなのである。 ここでは、ビジネス・システムを実際に分析するときに、具体的にどうやって作業を進めるのかを簡単に説明したい。
図を見ていただきたい。 この図は、「販売」という機能をより細かいアクティビティーと呼ばれる活動のレベルまで分解した例である。
「販売」機能に対して、ひとつ下の一次業務としては「販売計画立案」、「顧客訪問準備」、「顧客訪問」、「訪問するときの見積もり」がある。 その販売計画を立案するためにはどのような活動が必要かと言うと、「販売実績を収集」して「販売予想を収集」し、その「データを分析」して「計画を策定」する。
さらに一段下がって、「販売実績を収集」するために作業をどう進めるかというと、「チャネル別の実績を収集」し、「製品別の実績を収集」し、それから「営業報告を理解」して、「分析」するのである。 このように、個別の日々の活動にまで、機能を分解するのである。
ビジネス・システムで言うと、商品を企画・開発して、つくって、売るという活動を続けるかぎり、こういった活動自体は基本的には不変なものだ。 活動のいずれかが、たまたま情報システムによって担当され、そのなかで処理されるために、外部からは活動として目につかない場合もあるいは正社員が業務を担当するのではなく、パートが担当したり、アウトソーシングされて外部の会社が受託して担当するため、結果だけ受け取る場合もあるかもしれない。
いろいろな形態があるものの、活動自体は実際には必ずどこかに存在するのである。 したがって、ビジネス・システムを細かく分析していく業務分析の段階では、しみじみと個別の活動を分解していき、個々の作業にどれだけの時間やお金、あるいは情報システムといった設備などが使われているかを把握することが基本になる。

個別の活動にかかる金額を計ろうというのが、「活動基準原価計算(ABC、アクティビティー・ペースト・コステイングこと言われる手法である。 これはハーバード大学のK教授が提唱したものだ。
しかし、業務をブレイクダウンしていく方法を提唱したのは彼が初めてではなく、各コンピュータ会社、あるいは情報システムをつくるときによく使われる手法である。 ファンクション・チャートとも、ファンクション・ブレイクダウン・ストラクチャーとも呼ばれる。
これにコスト情報や、どういう職種の人が担当しているかなどの属性情報をつけることで、もう少し立体的にビジネス・システムを考えることができる。 情報システムの費用対効果という点では、個々のアクティビティーを情報システムに乗せると、それが人技ではなくなるため、人にかかるコストはいらなくなる。
その一方で、情報システムを開発したり運用する部分でのコストが発生する。 それはアウトソーシングも同じで、社内の人間のコストはかからなくなるが、社外に支払う費用が発生する。
そこで、アクティビティーを三次レベルくらいまで細かく分けて定義して、新しい情報システムやパッケージ・ソフトを使うことで、どのアクティビティ−とどのアクティビティーが情報システムに置き換えられるのか、あるいはどの業務が合理化されるのかが計れる。 ここで言う「計る」とは、金額に置き換えられることをさす。
そうすれば、どのくらいの期間で情報化投資のもとがとれるか、あるいはどのくらいの金額を特定の情報システム化投資にかけてよいかがわかるわけだ。 こういった検討を個別施策ごとに重ねていくことで、機能横断的なビジネス・システムをデ、ザインするのである。

最終的に費用対効果に基づく実現性が検証されたビジネス・システムを描くことができる。

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